届けたい相手に、どう出会えばいい?
自分の想いを仕事にしていきたい。
そう考え始めたとき、多くの人が一度は立ち止まるのが、
「誰に届けるのか」ということかもしれません。
マーケティングでは、年齢や性別、住んでいる地域、年収、家族構成などを細かく設定して、届けたい相手を絞り込む方法がよく紹介されます。
もちろん、その方法が役に立つ仕事もたくさんあります。
たとえば、美容室や化粧品、特定のサービスのように、必要としている人の姿が比較的はっきりしている場合。
SNS広告などで条件を絞って届けることは、とても有効な手段になります。
けれど、自分の商いにそのやり方を当てはめたとき、どこか違和感を覚えることもあります。
「年齢や住んでいる場所だけで、本当に相手を決めていいのかな」
「私たちの想いに共感してくれる人は、もっと別のところにいる気がする」
そんなふうに感じることは、決して間違いではありません。
大切なのは、機械的に「誰に売るか」を決めることではなく、
自分たちの想いに触れたとき、喜んでくれるのはどんな人なのかを想像すること。
どんな毎日を過ごしている人だろう。
何を大切にしていて、どんな瞬間に心がほどけるのだろう。
どんなものや言葉に出会ったら、「これは自分のためのものかもしれない」と感じてくれるのだろう。
そんなふうに、その人の暮らしや心に寄り添いながら考えてみる。
ペルソナとは、数字や条件だけでつくられるものではなく、
自分たちが届けたい相手の輪郭を、少しずつ見つけていくためのものなのかもしれません。
そして、届け方もひとつではありません。
SNSで発信することが合う商いもあれば、
地域のマルシェで直接話すことが、いちばん自然に想いを伝えられる商いもあります。
流行している方法や、誰かが成功した方法が、必ずしも自分に合うとは限りません。
大切なのは、自分たちの想いがいちばん無理なく伝わる場所や方法を選ぶこと。
マーケティングという言葉は、ときどき少し怖く聞こえることがあります。
売るために自分を変えたり、想いを薄めたりしなければならないように感じることもあるかもしれません。
でも本来は、自分たちの大切にしているものを変えずに、
まだ出会っていない誰かへ、きちんと手渡すための「翻訳作業」。
伝える相手によって、言葉や見せ方を少し変える。
けれど、そこにある核となる想いは変えない。
そんなふうに考えてみると、マーケティングは、
自分の商いを広げるためだけの技術ではなく、
誰かとの出会いを丁寧につくっていくための方法にも見えてきます。
今回も、正解を急がずに。
自分の想いをどんな人に、どんな形で届けていきたいのかを、ゆっくり考えていく時間です。
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