想いを育てる

想いを商いにする途中#5

良いものを作っただけでは、届かない

自分の大切にしている想いを形にして、商品やサービスをつくる。

ここまでたどり着けたら、あとはきっと誰かが見つけてくれる。
そんなふうに、どこかで思ってしまうことがあります。

けれど、商いを始めてみると、そう簡単ではない現実に出会います。

どれだけ心を込めてつくっても、
どれだけ自分では「これはきっと誰かの役に立つ」と思っていても、
知られていなければ、存在していないのと同じになってしまう。

特に、オンラインで商いをする場合は、その壁を強く感じます。

実店舗なら、通りを歩いている人が看板を見つけてくれたり、ふと店の中をのぞいてくれたりすることがあります。
けれど、インターネットの中では、自分から知らせなければ、誰にも気づいてもらえません。

発信すること。
紹介すること。
自分たちの存在を知ってもらうこと。

それは少し苦手だったり、気恥ずかしかったりすることもあるけれど、商いを続けていくためには避けて通れない大切な仕事なのかもしれません。

そして、デジタルの世界には、もうひとつ難しさがあります。

反応が「数字」として見えることです。

閲覧数、いいねの数、フォロワーの数、購入数。
数字は分かりやすい反面、その向こう側にいる人の表情や気持ちは見えにくい。

「どんなところに心が動いたのか」
「何がよかったのか」
「どんな言葉が届いたのか」

本当は知りたいことがたくさんあるのに、オンラインだけでは分からないこともあります。

だからこそ、マルシェやイベントへの出店、直接話を聞く機会、購入してくださった方へのインタビューなど、顔を合わせる時間も大切にしなくてはいけないのかもしれません。

実際に会って話すことで、こちらの想いを直接伝えられる。
そして相手がどんなふうに受け取ってくれたのかも、表情や言葉から感じることができます。

オンラインで広く届けること。
アナログな場で、ひとりひとりと出会うこと。

どちらかだけではなく、その両方を行き来しながら、自分たちなりの商いを育てていく。

今回も、すぐに答えが出る話ではありません。

良いものをつくったのに、まだ誰にも届いていない気がする。
発信しなければと思うけれど、何をどう伝えたらいいのか分からない。

そんな起業の途中にある迷いや不安を、ありのままに残しています。

同じように、自分の想いを形にしながら、少しずつ前に進もうとしている誰かの心が、ほんの少し軽くなるといいな。

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